ニューヨーカーに浸透するCruelty Freeという選択

Wedgeからです。

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ニューヨーカーに浸透するCruelty Freeという選択

2017年4月17日


4月5日から16日まで、ニューヨークのマディソンスクエアガーデンシアターで、「Circus 1903 The Golden Age of Circus」というサーカス団が、公演を行った。一見なんの変哲もない、昔ながらのこのサーカス団に、実はある秘密が隠されていたのである。


サーカスの勝ち組と負け組み

(iStock)


 サーカスといえば、このところ世界中でシルク・ドゥ・ソレイユが独り勝ち状態である。カナダのモントリオールに拠点をおくこのサーカス団は、そのプロダクションの独創性、テーマに合わせたコスチュームデザインとオリジナル音楽を作い、総合舞台芸術として、サーカス界のみならず世界中のエンタテイメント業界に影響を与えた。


 その一方で、歴史のあったリングリング・ブラザーズ、バーナム&ベイリーサーカスは、今年を最後に幕を閉じると宣言。ビッグアップルサーカスも、昨シーズンを最後に倒産してしまった。


 その理由の1つは、ここ10年ほどで動物愛護に対する社会の概念が大きく変わってきたことである。


インターネットが変えた動物愛護の概念

 私自身、子供のころは、サーカスでトラやゾウが出てくると、喜んで見たものである。タイでゾウの背中に乗せてもらったこともある。


 本来は人間に懐かない野生の動物が芸をするということがただただ珍しく、舞台裏で何が行われているのか深く考えてみたこともなかった。


 日本で先人、宮沢賢治が「オッペルと象」を書いたのは今から90年ほども前のこと。だが世界中で動物に対する概念が変わってきたのは、インターネットの普及のためである。YouTubeなどで誰でも簡単に、世界各国の様々な映像をシェアできる時代になった。動物たちは人間が本来考えていたよりもずっと賢く、社会性も感情もあることもわかってきた。


 同時にこうしたサーカスや大道芸の野生動物たちの多くは、棘のついた足環などで肉体的拘束をされ、言うことを聞かないと鞭で打たれたり餌をもらえないなどの虐待を受けながらトレーニングされていく。普段は狭い鉄の檻に閉じ込められっぱなし、という現状が、映像を通して社会で広く知られるようになってしまった。都合の悪い舞台裏を隠しておくことが難しい時代になったのである。


 サーカスの動物の全てがそういう扱いを受けているわけではないかもしれないが、人々は以前のように無邪気に動物を使ったエンタテイメントを楽しめなくなってしまった。

 リングリング・ブラザーズも多くの動物愛護団体とその支持者たちの署名運動などに押され、1年前にゾウを全て引退させてサンクチュアリ施設に移した。その後、チケットの販売が落ちたことを理由に、今年で幕を閉じることとなった。


 そんな世相の中で、動物を使わないで人々を楽しませるシルク・ドゥ・ソレイユの誕生は、とてもタイムリーで時勢にフィットしていたのだと思う。


等身大のゾウの操り人形

 さて話は冒頭に戻り、娯楽には事欠かないニューヨークで、なぜこのサーカス「Circus 1903 The Golden Age of Circus」が注目を集めたのか。


 オールドファッションな雰囲気を売り物にしたこのサーカス団で、注目されているのは実物大のゾウの操り人形が登場することである。


 ブロードウェイで大ヒットし、後に映画化もされた「War Horse」で登場した、精巧で洒落た馬の操り人形を制作したシグニフィカンド・オブジェクトの作品で、成獣と小ゾウの二匹が登場。動物愛護団体たちから、「生き物を使わなくても面白いサーカスは成り立つことの見本」と絶賛されている。


 アクロバット類などはごく普通のサーカスだったが、このゾウの精巧なパペット人形は、一見の価値アリだった。


変化してきた動物愛護の精神

 日本で「動物愛護」は、未だに微妙なテーマである。先をたどっていけば、必ず日本の捕鯨とイルカ漁にたどり着くからだ。


 だが自分は毛皮のコートを着て、血のしたたるステーキを食べながら「イルカを殺す野蛮な日本に行きたくない」とミュージシャンが発言し、大反感をかった70年代、80年代初頭から、欧米社会は大分進化した。


 ニューヨーカーの間では、一人ひとりが自分自身の中で何を選択していくのか、という動物愛護精神が高まってきたのである。


 たとえば同じ犬を飼うのなら、Puppy Millと呼ばれる劣悪な環境で繁殖させる商業ブリーダーから提供されるペットショップのものではなく、動物保護団体のところから引き取る、というようなことから、日々の食卓で肉の消費量を少しでも減らそうと意識するなど、些細なことだ。


Cruelty Free という表現

 こうした現代社会のキーワードはCruelty Free(クルエルティフリー)である。

 「残酷ではない」という意味で、たとえば化粧品や洗剤など、動物実験を実行していないメーカーの商品につけられるマークがあり、一般のスーパーなどの店頭から消費者自身が気軽に選択できる。


 同じ卵を買うのでも、ブロイラーのものではなく、ニワトリが歩ける環境で育てたものにはCage Freeのマークがついている。


 肉類などでも、工場ではなく昔の農場のような環境で育て、必要以上に苦しめないように処理を行う業者にはCertified Humane(人道的認定印)を商品につけることが認められ、消費者が選べるようになっている。


 バッグや靴などもCruelty FreeあるいはVeganなどを掲げて、人工革のみを使用しているメーカーもあり、こうしたVegan商品がじわじわと人気をあげてきている。


 過激な動物愛護団体のように、何でもかんでもダメ! というのではなく、「惨くない選択があるのなら、できる範囲でそちらを選ぼう」というレベルのマイルドな動物愛護精神が、ニューヨーカーの間では日常生活に浸透しつつあるのだ。


個人ができる範囲での選択

 菜食主義にはなれないけれど、カバンや靴は本皮でなくてもいい。


 同じ洗剤を買うのなら、動物実験を実行していないメーカーのものにする。毛皮やダウンは本物ではなくても、化繊で十分。このように、個人の意識レベルに合わせて選択できるのが、ニューヨークでは当たり前になりつつある。


 その意味では、本物のゾウではなく、等身大の操り人形のゾウが出演するサーカスを見に行く、というのも立派なCruelty Freeの選択である。


 大声でヒステリックに主張をする動物保護団体は、日本人気質にはちょっと合わない。だがこうしたさりげないCruelty Free主義ならば、おそらく日本社会にも徐々に浸透していくのではないだろうか。


 動物実験をしていないメーカーの商品は日本にも少なからずあるのだが、一目でわかるようにはなっていない。そのあたりを供給する側が、もう少し消費者側に選択肢を与えてくれても良いのではないだろうか。



~転載以上~



個々の意識レベルに合わせて選択する。一度にすべては無理でも、減らせる犠牲は減らしていく。残酷でない選択があるならそちらを選ぶ。皆が日常生活の中でさりげなく心がける、そんな社会になっていけたらいいですね。


また、消費者の意識が高まることで、メーカー側も素材の表示や実験の有無など明確にし、犠牲のない商品が選ばれやすくなるように、そして残酷でない点がセールスポイントになるような社会になればいいなと思います。



記事冒頭で紹介されていた、ゾウの精巧なパペット人形を使ったサーカスの公式サイトはこちら。


Circus 1903




以下は動画です。ゾウの人形、ダイナミックですねゾウ








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