【動画・ダイジェスト】NHKクローズアップ現代 ネコに家が壊される~広がる ペット多頭飼育崩壊~

先日放送された、NHKクローズアップ現代の動画です。



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以下は、番組サイトよりダイジェストです。

http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3892/1.html


No.3892 2016年11月15日(火)放送


ペットに家が壊される 多頭飼育崩壊の衝撃

今や1兆4,000億円を超え、空前のブームが続く、ペット産業市場。
しかし、その陰で深刻な問題が起きています。

「多頭飼育崩壊」——ペットが飼い主の意図を超えて増え、問題化することです。
最も近い調査では、多頭飼育の苦情件数は、全国で年間およそ1,800件。
ここ数年、トラブルの報告は増加の一途をたどり、対応が追いつかなくなっています。
まずは、多頭飼育崩壊に陥った首都圏のある4人家族の衝撃の実態から。

ネコ2匹が80匹に! 多頭飼育崩壊の衝撃

ペットの多頭飼育崩壊は、あなたのすぐ隣で起きています。

首都圏のある一軒家。
取材班を出迎えたのは、ネコ、ネコ、ネコ。

中村真紀さんです。
夫と10代の2人の子ども、そして80匹のネコと暮らしています。
最初に通されたのは以前、子どもたちが使っていた部屋です。

中村真紀さん(仮名・40代)
「初めは子どもの部屋だったんですけれど、このような状態になってしまいました。」

ネコを飼う前、中村さん一家はどこにでもある、ごく普通の家庭でした。
共働きの中村さん夫婦が、子どもが生まれたことをきっかけに買ったのが、このマイホームでした。

中村真紀さん(仮名・40代)
「ここ濡れているから気をつけてくださいね。」

以前は、家族4人の団らんの場として使っていた、日当たりのいいリビング。
ここも、ネコに占拠されています。
今、家族はネコが入らない空間を作り、生活を何とか維持しています。

会社員の夫が1部屋、中村さんと長女が1部屋、長男はリビングで、ネコを避けて寝起きしています。

中村真紀さん(仮名・40代)
「これだけの数が増えてしまうと、どうしていいか分からない。
(家族から)これは面倒見切れないよね。
私が死んだらどうするのと、よく言われます。」

なぜ、多頭飼育崩壊は起きたのか。

きっかけは6年前、長女がもらってきた雄と雌の2匹のネコでした。
2匹は一家にすぐに溶け込み、家族の会話も増えたといいます。

3年後、2匹の子ネコが生まれました。
愛くるしい雌の子ネコでした。
不妊・去勢手術をするのはかわいそうだと、そのまま飼っていると、1年もたたないうちに、このうちの1匹が5匹の子ネコを産みました。
これでネコは9匹。
それでもネコを誰かに譲ることは考えられなかったといいます。

中村真紀さん(仮名・40代)
「やっぱり自分の家族だと思っているので、その家族を切り離すっていうのが、すごい嫌だったんですね。
何か嫌なことがあったときに寄ってきてもらえると、自分の存在価値があるという言い方は変ですけど。」

ところが、さらにその1年後、3匹が出産し、一度に15匹増えました。
中村さんは、不妊・去勢手術を検討しました。
しかし当時、収入が減っていたため、出費をためらったといいます。

中村真紀さん(仮名・40代)
「さすがにそのときは、やばいと思ったんですけど、やっぱりすごい手術代が高いので、1頭3万円とかしちゃうと。」

この時、ネコは合わせて24匹。
80万円近くになる手術の費用を工面することができませんでした。

その後もネコは増え続け、とうとう80匹にまで増えてしまったのです。
餌代だけで、月8万円。
経済的にも大きな負担です。
しかし、どうしても手放すことができません。

中村真紀さん(仮名・40代)
「リン君はこの顔です、このデカさと。
この子3代目ですね、一応。
カズ君は産まれたときは、もうちょっと大きかったんですけど、子ネコ用の餌を食べさせているんですけど、なかなか大きくなってくれなくて。」

最近では、主に臭いに関する苦情が近所から寄せられるようになりましたが、誰にも相談することができずにいます。

中村真紀さん(仮名・40代)
「例えば10匹とか10何匹でも“すごいね”と言われちゃうので、(周囲に)言えない。
“何そんなに飼ってるの”って意見をされるので、それが嫌で人には言わなかった。」

全国で急増 ペット多頭飼育崩壊

リポート:秋元宏美(NHK大阪)

ペットの多頭飼育崩壊は、どこまで広がっているのか。

ネコの不妊・去勢手術をサポートする活動を行う、佐上邦久さんです。

どうぶつ基金 理事長 佐上邦久さん
「多頭飼育崩壊というパターンが多いですね。
全国から1週間に1件ぐらいのペースで寄せられておりまして、例えば大阪、これは兵庫県伊丹市ですね。
こちら東京の青梅市。」

この団体には、ここ数年、多頭飼育崩壊によるトラブルの相談が相次いでいます。
この半年だけで24件。

東京・青梅市では、60代の女性が30匹のネコを飼育。
心配した知人からの連絡で、不妊・去勢手術を行いました。

大阪・枚方市では、妻を亡くした男性が拾ってきた6匹のネコが、2年で60匹近くまで増加。
餌代で生活が立ち行かなくなったと相談が寄せられました。

どうぶつ基金 理事長 佐上邦久さん
「ネコを愛する気持ちから(飼育数を)増やしてしまった。
そして結局はネコも自分も家族も不幸なことになってしまう。」

ネコ2匹が80匹に! 多頭飼育崩壊の衝撃

ネコ80匹。
多頭飼育崩壊に陥った中村さんの家です。
近所の人の訴えなどから、地域のボランティアが介入し、衛生状態を改善することになりました。

「いや〜、怖い!」

不衛生な状態でのペットの飼育は、動物愛護法で虐待と見なされるケースもあります。

「こんなところで何やってたの?汚い。」

食器棚の下から衰弱し、身動きが取れなくなったネコが見つかりました。

さらに動物保護団体がネコの不妊・去勢手術を行うことになりました。
本来ならば、200万円近くかかる手術を獣医師たちはボランティアで行います。
80匹にまで増えたネコ。
新たに4匹のネコが妊娠していることが分かりました。
ペットの繁殖力についての知識不足が招いた多頭飼育崩壊。
堕胎せざるを得ませんでした。

どうぶつ基金 理事長 佐上邦久さん
「きょうが出発点ということで、このようなことを2度と繰り返すことがないように、それがネコの幸せにもつながりますので、よろしくお願いします。」

これ以上増えることはなくなりましたが、80匹の面倒はこれからも見なければなりません。
地域のボランティアが、今後も定期的に状況を確認していくことにしています。

中村真紀さん(仮名・40代)
「早く手術をしていれば、こんなにならなかったと思うんですけれども、もう増えることもないですし、近隣の方にも迷惑をかけているので、もっと環境をよくすることと、この子たちの体調にも気をつけていきたい。」

ペットに家が壊される 多頭飼育崩壊の衝撃

ゲスト 浅田美代子さん(女優)
ゲスト 会田保彦さん(ヤマザキ学園大学教授)

浅田さんは、動物愛護活動に取り組んでいるが、この80匹のネコとの暮らしをどう見た?

浅田さん:やっぱり不妊・去勢手術をしていないことが、いちばんの原因だと思うんですね。
雄ネコと雌ネコを飼ったら繁殖するっていうのは当然のことですし、ましてや外ネコではなくて、家ネコですよね。


そうすると、奇形が生まれたり、疾患がある子が多く生まれていると思います。
でも、これだけ80匹もいたら、その子たちの体調を見ることもできないし、結局かわいいからとか、かわいそうだからで、ああいう不幸なネコたちを増やしてしまうっていうことだと思うんです。
ですから、不妊・去勢手術は大事だと思います。

多頭飼育崩壊の背景には何がある?

会田さん:崩壊の背景ということで、簡単に3つ挙げました。
実は、それぞれ非常に奥深い背景が伴っていて、順を追って申し上げますと、「家族の形の変化」というのが1つ目に挙げられると思っています。
例えば、以前に比べると非常に核家族化が進んで、例えば首都圏に人口が集中して、みんなが核家族になって、かつての大家族の時のような近隣とのコミュニティーがなくなってきたんです。


ですから、一人一人が核家族を構成するのは大変結構なんですが、合わせて近隣との融和なり協調なり、そういう部分が必要だと思うんですが、往々にして多頭飼育の方たちというのは孤立化していて、なかなかコミュニティーが取れない。


浅田さん:「さみしいから」といって飼ったりする人が多いんですよね。


会田さん:全くおっしゃる通りですね。
2つ目に「ペットへの過度の依存」というのがありますが、これは、どの方も皆さんそうなんですけども、ケーススタディとしては、最初は動物が好きで、イヌやネコを飼っているんです。
100歩譲れば、その時点までは動物愛護家といえたのかもしれないんですが、結果としては依存するだけで、先ほどのVTRにもありましたが、手放すことができなくなったと。
自分の飼育が正しくなくて増やしてしまったものまで手放せないというような過度の依存が見えます。


浅田さん:先ほどのネコたちはきれいでしたけども、感染する皮膚病とか、1匹がやったら、ばっとみんなにうつってしまうし、そういうこともありますよね。

3つ目の「経済的困窮」とは?

会田さん:「経済的困窮」というのは、これはいささか表現として問題もあるかもしれないんですが。


ただ、現実に動物を飼うというのは、仮にイヌであれば、あらゆるものを含めまして、大まかにいって1匹飼うのに1年間26万円の費用がかかるといわれてます。
ネコの場合でも13万円といわれてます。
要するに、動物を飼うというのは非常に経済的な必要条件も伴うということなんです。
それが多頭飼育になったら、とても負担しきれない。
それが分かっていて、ずるずる困窮度が増していってしまうというのは、非常にお気の毒な状況ですけど、これはイヌやネコにとっても気の毒だと思います。

2012年に動物愛護法が改正されたが、それも影響しているという指摘もある?

会田さん:確かに改正ですから、正しい方、いい方に変わるわけなんですけれども、特に現行法は、2013年に施行された法律をキーワードとして、「終生飼養」といわれてます。
漢字で書くと四文字熟語みたいですけれども、実は、これは法律にれっきとして記名されていて、具体的に申し上げますと、法律の第7条で、動物の所有者および占有者は、いったん自分が飼い出した動物に対しては、できる限り一生涯、面倒をみなさいと。


これが、今の法律のキーワードになっています。
このことがあるもので、後ほどもお話に出るかもしれませんが、いろいろ複雑な要素が絡んできてしまっています。
いずれにしても、この「終生飼養」の理念は私は大好きで、すばらしいことだと思います。
ただ、誤解を恐れずに言えば、これに縛られてしまうと、人と動物の共生の意味がなくなってしまいますね。


こうして、さまざまな要因があって起きている多頭飼育崩壊ですが、特に問題となっているのが、飼い主が高齢者のケースです。


高齢者・一人暮らしが危ない ペット多頭飼育崩壊を防げ

大阪にある、動物保護団体です。
1,000坪の敷地に300匹を超えるペットが保護されています。

25年前から動物の保護活動を行っているNPOの代表、エリザベス・オリバーさんです。
ここ数年、多頭飼育崩壊を起こした高齢者から引き取る動物が増えています。

アニマルレフュージ関西 代表 エリザベス・オリバーさん
「この子、オイスター。
イヌが増えているから何とか助けることができないかと連絡がありました。」

1人暮らしの60代の男性が、26匹にまで増えてしまったイヌの世話をできなくなったのだといいます。

アニマルレフュージ関西 代表 エリザベス・オリバーさん
「ウサギです。」

80代の夫婦が飼い始めた2匹のウサギ。
ウサギの繁殖力はネコよりも強いため、1年で19匹に増えました。
夫婦が老人ホームに入ることになったため、引き取られました。

アニマルレフュージ関西 代表 エリザベス・オリバーさん
「お年寄りは1人暮らしの方が多いですから、それはちょっとさびしい、友だちいないし、イヌ、ネコ、ウサギとかを飼います。
日本ではね、どんどん高齢の方増えてる。
このケースは増えると思います。」

高齢者による多頭飼育崩壊をどう防ぐのか。

ネコの保護活動に取り組んできたボランティアグループは、リスクのあるお年寄りたちの見守り活動に今、力を入れています。

この日訪ねたのは、11匹のネコと暮らす、70代の女性。
1人暮らしのさみしさから、野良ネコを見ると拾いたくなってしまうといいます。
ボランティアグループでは、不妊・去勢手術をサポートするなど、ネコが増え過ぎないよう見守っています。

大阪ねこの会 永井秀子さん
「お母さん、子ネコちゃんとか見たらね、ほっとかれへんから、また保護してはんのちゃうかなというのもあるんですけども。
1匹でも幸せになってほしいんで。」

飼い主 70代
「年が若かったらいいけども、ネコのほうが長生きしたらどうしようかなと。
(訪問は)助かりますね。」

このグループに所属するボランティアは700人。
定期的に集まり、担当する地域の情報を共有しています。

ボランティアスタッフ
「毎年、春・秋に子ネコを産むお母さんがいて、これ何とかしたいなと。」

地域の中で埋もれがちな、高齢者による多頭飼育崩壊。
少子高齢化・単身世帯の増加が進む、この社会の新たなリスクです。

大阪ねこの会 副代表 荒井りかさん
「声をかけられて初めて“本当は困っている”と言えることになったりとかもしますから、その人自身の生活を救うことにもなるかもしれないし、孤立した世帯を救えることにもなるのかなと思いますけどね。」

広がるペット多頭飼育崩壊 どう防ぐ?

浅田さん:高齢者がホームとかに入るために、行き場のなくなるイヌやネコが今、すごく多いんですね。

高齢者の方も、もちろんペットを飼っちゃいけないなんて言わないけれども、やっぱり自分の年齢と、イヌやネコの寿命を考えて、例えば保護犬とか保護猫の5、6歳とか7、8歳の子を飼うということではなくて、「預かりさん」というボランティアがありますから、預かってあげるとか、協力していただけたらいいなとは思うんですけどね。

そして、こんなケースもあったんです。
今年(2016年)7月に、北海道のマンションで60代の男性が孤独死した後、49匹のネコが放置されているのが見つかりました。
こうした多頭飼育崩壊を未然に防ぐには、どういうことが必要?

会田さん:今、VTRを拝見しても、結果として対処療法はもう追いつかないですよね。
そういう意味では、未然というのは予防措置かと思いますし、非常に大事だと思います。

ここに2点、簡単に挙げましたけれども、防ぐにはということで、まず50%ずつ、フィフティー・フィフティーの考えで言いますと、最初はやっぱり公的権力、すなわち法律とか条例を強化する必要があります。


今現在、全国の自治体の中では10頭以上のイヌ、ネコを飼う場合には届け出が必要という、多頭飼育条例を持っている所がいくつかあります。
ただ、まだこれは足並みがそろっていません。


先ほどのVTRにあるように、全国的に広がっているのであれば、いち早く全国の自治体にも対応してもらいたいなと。
合わせて、それは届け出に限らず、登録制にしたり罰則規定をもう少し増やしたりということが必要かもしれません。


要するに、そういう公的措置があることによって、抑止力が生かせるんじゃないかなと思います。


浅田さん:それが、なかなか動いてくれないんですよね、苦情が来ても。
だからもっと、どんどん動いてほしいなと思います。

会田さん:2つ目は「“動物観”の向上」。
ちょっと、しかめつらしい表現で恐縮ですけれども、いわゆる“動物観”というのは動物に対する考え方とご理解いただいていいんですが、じゃあ、どういう正しい飼い方をしたらいいのかについて、先ほどの飼い主さんを見ても、いつの間にかだとか知らないうちにだとか、そういう増え方が大変多いです。


そういう意味では、あえてこの動物観の向上に3つの条件付記させていただきたいと思うんですけども、1つはイヌ・ネコを購入する段、ペットショップにおいてはペットショップの責任者は18の項目を説明しなきゃいけないことになっているんです。
要するに、それで動物を正しく飼いなさいということにつながっているわけです。


浅田さん:今は売るだけですからね。
とにかく売りたいっていうことだけで。


会田さん:一応それでも法律的には売るのは目的なんですが、18項目の説明をして、了承を得て、はんこをついて売るという必要があるんですけれども、それをもっと徹底すると。
そして実際、イヌ・ネコを飼い始めたら、生き物ですから、健康を阻害することもあります。
それで獣医さんに連れていったら、また獣医さんがイヌ・ネコの健康について、正しい飼養を教えるということです。


浅田さん:とにかく飼い主さんのモラルがもっと向上しないといけないと思います。

今回のグラレコ

番組の内容を、「スケッチ・ノーティング」という会議などの内容をリアルタイムで可視化する手法を活かしてグラフィックにしたものです。




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