「タイで象に乗る」観光客目当ての象乗りの裏に潜む闇をご存知ですか?

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「タイで象に乗る」観光客目当ての象乗りの裏に潜む闇をご存知ですか?

タイで象に乗る。
実際その経験はなくとも、耳にしたことやテレビでその様子を見たことのある方は多いのではないでしょうか。
象に乗って1時間ほど観光できるということで現地では割と人気なようですが、
この象たちは虐待の末におとなしくコントロールされているということをご存知ですか?

象をコントロールするには

「象使い」と呼ばれる人たちがいますが、彼らが象をコントロールするそのやり方は
「虐待」以外のなにものでもありません。子供の象と親の象を無理やり引き離しロープで縛りつけ、
人間に逆らわなくなるまで棒やフックなどで打ち続けるのです。

暴力で持って洗脳され、拷問を続けられる象。
そんな果てに人間を乗せて観光に利用されるということを知っていれば、
恐らくほとんどの人は象に乗りたいとは思わないでしょう。
象だってストレスも溜まれば精神的に脆くなることもあります。
食べ物さえ満足に与えられず、ただ象使いに酷い仕打ちを受けている象たち…。

何十年も飼い殺しにされた象たちがそのまま息絶えるか、
ギリギリのところで救われるかは保護団体メンバーにかかっています。
このほど、Boon Lott’s Elephant Sanctuary (BLES)に一頭の象が保護されました。

保護された象・サオノイ

サオノイは何十年もの間、観光客のために「象乗りの象」としてこき使われており、
BLESスタッフに保護されたときには既に弱り切っていました。
アジア象の平均寿命は80歳ぐらいだと言われていますが、このときサオノイはまだ60歳。
それでもこれまでの虐待ともいえる飼育により完全に弱っており、
救出されてからも何度も倒れてしまうという衰弱ぶりでした。
それでも象の聖地・保護センターに住むことになったサオノイには、しばらくして友達ができました。
同じくこれまで観光客を乗せていたブーンソンです。
ブーンソンは片目が見えず背中が曲がっていて、体中あちこちに傷がありました。
原因はいうまでもなく、長年の象乗りからの虐待と観光客の重さにより生じた障害です。


いつも一緒に過ごす

弱っていたサオノイを優しく支えたのが先輩のブーンソンでした。
同じ雌同士、2頭はまるで仲の良い姉妹のように広大な保護センターで
伸び伸びと余生を過ごすはずでした。
ところが、やはりサオノイの体力には限界があったのです。

BLESのスタッフはできる限りの手を尽くしました。
一日中サオノイを気にかけ、少しでも食べているかチェックし、
サオノイの傍を離れませんでした。
そして心配していたのはスタッフだけではなかったのです。
ブーンソンもサオノイの状態が気になって仕方ないようでした。

倒れるサオノイを見て、ブーンソンはとある行動に出るのです…


優しく気遣う

ブーンソンはサオノイの体を長い鼻でゆっくり優しく撫で始めたのです。
それはまるで人間が、具合が悪く横たわる子供の頭や体を優しく撫でさするようでした。

その様子を見ていたスタッフの目には涙が…
倒れているサオノイを前にして、このままではきっと希望は持てないと、
苦しむ前に逝かせてあげることを何度も相談していたスタッフたち。
そんな様子を察したかのように「元気になって」といわんばかりに
鼻で親友を撫で続けるブーンソン…

これが、非道な人間たちが動物を虐待した果ての姿なのです。
何十年も縛りつけられ、人間を乗せて酷使させられてきたサオノイには、
自由になってもそれを楽しむ気力さえ残されていなかったのです。


サオノイは立ち上がるも…

ブーンソンの祈りが通じたのか、なんとサオノイが自力で立ち上がったのです。
これにはスタッフもびっくり。
そんな気力さえないと諦めていたスタッフたちにほんの少しの光が見えました。

「もしかしたら、本当に元気になってくれるかも知れない」

BLESのFacebookには
「信じられない素晴らしいことが起こりました!
サオノイが自力で立ち上がったんです。私たちは飛びあがって喜びました。
たくさんの励ましとサポートのおかげで、サオノイは立ち上がることができたんです!」
と喜びのメッセージが綴られていました。


その後、何時間か立ったままで過ごすことができたサオノイですが、
その翌日、願い虚しく息を引き取りました…

最後にBLESの公式サイトに綴られている女性スタッフのメッセージをご紹介します。

「これまで、私たちは年老いた象たちを保護し、自由と尊厳を取り戻せるように懸命に努力して来ました。
観光産業で無理やり働かされている象たちの植え付けられたトラウマから解放されるように、
そして彼らの本来の強さを取り戻せるように彼らと過ごす1日1日を大切にしてきました。

多くの象を保護するほど、彼らの性格が一頭一頭違うことにも気付かされます。
でも、どの象を見ても、彼らが乗り越えて来た長い年月を思うと
私はいつも感情的にならずにはいられません。

どうかこれからの余生の日々が少しでも長く続くようにといつも願っていますが、
時にそれは叶うことはないのだということを今回、知りました。
今、私の胸は痛みと悲しみで張り裂けそうです。

繊細でか弱かったサオノイを助けるために精一杯のことを私たちはしました。
高齢の美しく聡明な魂を持つサオノイをめいいっぱい愛し、ケアしてきました。
でも、彼女は旅立ってしまったのです。

サオノイの痩せ細った体からは、過去に彼女が絶えて来た恐ろしいほどの虐待が垣間見れるようでした。
きっと耳を塞ぎたくなるほどの辛い経験をしてきたのでしょう。
彼女の目はいつもがらんどうのように暗く、疲れた陰が見えました。

でもサオノイは、とても温かく優しく可愛い象でした。
彼女を見ているとどんな苦境に生きても、希望を捨てるべきではないという姿勢を学ぶこともできました。
最後まで頑張って生きたサオノイを私たちは誇りに思います。

サオノイのために私たちはスタッフ全員で美しい葬儀をしました。
今、サオノイはようやく自由になれたのです。
私たちは決して彼女を忘れることはないでしょう。
本当の自由を手に入れたサオノイが天国で安らかに過ごせますように。」

出典:blesele.wordpress.com

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