環境省に署名と嘆願書を提出 現在の日本の象牙の扱いに関して~アフリカゾウの涙さん

アフリカゾウの涙さんのFBからです。

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先日、10月5日(月)の午後14時に環境省の野生生物課長に、メディア同席の元、12367名分の署名を嘆願書と共に提出しました。嘆願書には象牙および象牙商品の材料となる象牙の破片や象牙商品、また犀角の日本の輸出入を一切禁じることを安倍内閣総理大臣はじめ、環境省と経産省に求めました。その様子と現在の日本の象牙の扱いに関して、報告も兼ねてここでまとめて触れたいと思います。

 過去3年間で10万頭のアフリカゾウが殺され、サイは9時間に1頭殺されている実態が続いており、その背景には犯罪組織やテロ組織による象牙や犀角、野生動物の違法取引や密猟があります。この危機的状況を日本全国に少しでも知ってもらうために、昨年10月4日を日本記念日評議会にて「ゾウとサイの日」として認証してもらいました。今回の署名は、昨年の「ゾウとサイの日」に開始し、今年の「ゾウとサイの日」を機に提出しました。環境省を代表して奥田野...生生物課長に受け取っていただき、意見交換をさせて頂きました。これだけの人数の署名が集まったことに驚きを表しており、その意見は重く受け止めたいとのことでした。また、限られた時間でしたが、いくつかこちらの疑問も投げさせていただきました。その場で、この問題に関する即答が出ることはもちろん不可能だとは思っていましたが、政府の現在の考えを伺うには良い機会だと思いました。

 まずは、来年の南アフリカ、ケープタウンにおいて開かれるワシントン条約締約国会議で、象牙の取引再開の提案が出た場合、日本はそれを支持するのか?また象牙にまつわる汚職と犯罪が複雑で根強く、取り締まりが難しい中、日本に密輸された象牙とワシントン条約を交わして入手される象牙を、どのように区別して徹底した「合法象牙」の管理をする予定か、、、と伺いました。というのも、日本の「合法システム」は海外から指摘されるほどゆるく、抜け穴があることはよく知られており、現在徹底して国内の合法象牙が100%クリーンと言い切れないのです。香港では合法象牙を表に、裏で違法象牙を売るという合法象牙の悪利用が最近報告されています。今年の4月にも日本の合法象牙のシステムと象牙の取り扱いを見直すよう、安倍総理宛に海外の複数の保護組織から要請文が提出されましたが、同時期に安倍総理が渡米していたニュースが優先されたため、メディアでは取り上げられませんでした。また2011年以降、日本は違法象牙の大量押収には関わっていないと2013年のワシントン条約締約国会議では報告されていましたが、つい今月AP通信によって報道されたニュースでは、北京で押収された800kg以上の象牙が日本と香港を経由して密輸されたことを現地の警察が公表しています。しかし、それでも環境省としては、日本の合法象牙の登録システムに問題はなく、特にそのような指摘はどこからも受けていないとのことで、批判どころか、CITESや海外には日本の合法象牙のシステムは、プラスな効果を上げており、世界に認められているくらいであるといいました。先日別件で、元総理大臣夫人と話す機会がありましたが、日本の合法象牙の登録システムに問題があることやアフリカゾウの厳しい実態に関しては把握されているようでしたので、環境省のコメントとのギャップに驚きました。

 汚職問題に関しても伺いました。象牙の問題は、アフリカ特有の根強い汚職や犯罪、貧困や紛争などの社会的背景と複雑に絡み合っています。日本が完全にクリーンな「アフリカのため」になる「合法象牙」を今後入手する場合、これらの問題から日本の分だけどのように切り離すのか、どのような調査を元に日本は今後判断をしていくのかを聞きました。というのも、私も滝田も20年近くアフリカにいますが、アフリカの実態は書類上の情報とは大きなギャップがあらゆる場面で見られます。それは、アフリカに住んだことのある人でしたら、誰もが気づくことです。政府を経由する海外からの支援は国民のためより、政治家の懐や利益に用いられるケースがまだ多いのは、向こうにいれば明らかです。ケニアに3年住んでいた奥田課長も、アフリカの汚職に関しては把握していました。そんな中、輸出国の調査報告を基準とした情報を鵜呑みにするのは、無責任であり、輸入国として誤った判断を避けるためには独自の判断材料が必要ではないかと伺いましたが、国際取引において、相手国を信用しないわけにはいかないとのことでした。ただ、汚職問題は実在するので、相手国が汚職など違法取引に対して取り組み、良いGovernance ができるように協力し、そうすることによって、日本はsustainableにアフリカのためになる象牙を利用していけると考えていました。しかし、それはあくまでも理想で、そのような状況を作るのは夢物語に聞こえます。アフリカ各国の汚職や犯罪を象牙問題と切り離すことは不可能に近く、コントロールできないから国際社会は象牙の取引を全面的に今無くそうとしています。そんな中、どのような手段を使って、日本だけ特別なことができるのか、理想ばかりで説得力のある具体策は残念ながら伺えませんでした。日本がこのような重大な判断を行うときは、是非相手国政府とは別に、民間の組織など、政府の息のかかっていない現場の声も参考にして欲しいと伝えました。なぜなら、アフリカを長年取材してきて、海外からの調査団や取材陣には都合の良いところしか見せないという状況を何度も見ています。村まで買収されて、政府は自分たちのために良いことをしてくれている、、、と言わせているケースも複数目撃しています。

 最後に、日本が象牙利用を継続するかどうかに関して伺いました。アメリカ率いる世界は、象牙が現在sustainableではない資源として認識し、人間の安全保障に関わる問題として重要視しています。世界の象牙需要が、闇市の繁栄と犯罪組織による悪利用の余地を与えているため、象牙の利用を無くしていく必要性を認め、動き出しています。世界一象牙を消費している中国も、象牙利用をやめていくことを今年に入ってから発表しています。日本は長年象牙を消費してきた国だからこそ、そして先進国だからこそ、日本人の考えと技術で段階的に象牙の利用を卒業するべきと私たちは考えています。象牙を利用している職人も、ゾウが絶滅すればそれまでになります。そうなる前に、象牙産業も事業を継続できるように、みんなで話し合って今から代替材料へ切り替えていくべきです。そのような取り組みは検討されていないのか伺いました。しかし、日本政府としては、今でも象牙はsustainable、持続可能な資源と考え、完全に辞めることが適切な行動とは思わないと考えています。なぜなら象牙取引による収入を、その国の自然保護の予算に使ってきた国もあり、逆に象牙の取引をやめることによって、そのようなきちんとしてきている国の自然保護資金が激減し、悪影響が出てしまうから、とのこと。また、合法象牙の産業が潤えば、闇市は自然消滅すると日本政府は考えています。しかし、環境省が言う「そのようなきちんとした国」とは、実際にはボツワナ共和国のみであり、ボツワナはアフリカの中でも人材と資源が豊富で、政府も自然保護を優先している特殊な国です。汚職や密猟、違法行為が相次いでいるジンバブエなどとは一緒にできませんが、日本は「南部アフリカ4カ国」としてみています。南部アフリカには充分なゾウが生息し、ゾウの密猟は東アフリカほど問題ではないと思われがちですが、ナミビアでもジンバブエでも毒殺を含む密猟や、有名ライオンのセシルが殺されたワンゲ国立公園でも密猟は続いていますし、背景には役所の汚職も絡んでいることが浮上しています。南アのクルーガー国立公園でもこの1ヶ月で12頭ものゾウが殺されていることが数日前に報告されています。

 そもそもワシントン条約の付属書IやIIで守られている動物を、どうしてここまで日本は利用し続けたいと思っているのか、環境省と話しながら違和感を覚えました。象牙利用において、世界がどう思おうが、日本は独自の判断をすると言われました。世界が象牙利用をやめようとしている中、日本は孤立してアフリカ諸国の政府から日本の援助で犯罪や汚職をなくせると夢のようなことを信じ続け、ぎりぎりまで象牙を利用しようとする考えは一体なんなんだろうと疑問に思いました。ワシントン条約の附属書とは何か?ワシントン条約では、国際取引の規制の対象となる動植物は附属書というリストに載せられています。絶滅の
おそれの度合いによって附属書I、附属書II、附属書IIIに分けられています。附属書Iは今すでに絶滅する危険性がある生き物、附属書IIは国同士の取引を制限しないと、将来、絶滅の危険性が高くなるおそれがある生き物、そして附属書III はその生き物が生息する国が、自国の生き物を守るために、国際的な協力を求めている生き物になります。南部アフリカに生息するアフリカゾウは附属書IIでその他のアフリカゾウは附属書Iに属します。その時点で、本来なら「守る」対象になるのではないか、、、と考えますが、長年日本の象牙利用を調査してきたトラ・ゾウ基金の坂元弁護士と話し、環境省の吉田環境事務官の言葉が理解できました。日本は以前から、経産省、環境省や農林水産省などで、象牙は基本的に「利用」する資源として共通した思想を意図的に持っているようです。ということは、日本からしてみると「守る」ではなく、「利用する」がそもそも前提にあります。環境省と話している中、繰り返し言われたのが、「利用する価値があるから守る価値がある」とのことでした。合法象牙がアフリカの人たちのためになるというのは、究極の透明性がない限りはただの夢物語に過ぎませんが、同時にそれは象牙を「援助」という名目でも日本は「利用」できます。
 
 また、非常に気になるのは、象牙利用の賛成側としてTom Milliken氏の意見を尊重しているTRAFFICやWWFがいます。昨年、ミリケン氏のセミナーを聞いている人もいるかと思いますが、象牙利用の継続に強く賛成しており、密猟とテロの関係は明らかではないと思っています。またTRAFFIC(WWFとIUCNの共同プログラム)に関しても、象牙利用の継続を支持していることは、別機会で私たちも昨年直接知りました。しかし、これらのことを知らず、WWFは象牙の売買に反対している団体と誤解し、WWFに寄付している人も多くいるのではないか、、、と思います。アフリカゾウの涙の活動に賛同しながら、同時にWWFを支援している方もいるかと思います。本来ならすべてを表に出して、日本のみんなで象牙の利用に関してどうするか考えるべきだと思います。

 いずれにせよ、今回の署名提出は、多くの方の意見として、重く受け止めると環境省は言ってくれたので、皆さんの声が小さな一歩につながることを祈ります。しかし、象牙利用を見直すように政府を説得するのは至難の技だということも実感しました。日本人が象牙消費において、責任ある判断と行動がそれぞれ取れるように、アフリカゾウおよびアフリカの野生動物が置かれている実態を、私たちのアフリカからの声を伝えていくことの大切さを感じました。どうか皆さま、未来にアフリカゾウを残せるように、私たちの活動をこれからも応援してください。
                     山脇愛理 アフリカゾウの涙



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