【由仁】岩見沢保健所由仁支所で14年度、飼育放棄などで収容した犬猫の殺処分数が初めてゼロを記録した。今年4月以降も10月26日現在、殺処分はない。空知総合振興局環境生活課は13年の法改正で、安易な引き取りを拒否できるようになったことが、主な要因とみている。


 同支所は、夕張市と由仁、栗山、長沼、南幌の4町を管轄。支所内で1週間~3カ月ほど預かるが、新たな飼い主や元の飼い主が見つからない場合は殺処分する。


 14年度の引き取り数は前年度より10匹多い54匹。うち3匹が元の飼い主に返され、51匹は新たな飼い主が見つかった。ここ最近の犬猫の殺処分数は、04年度の209匹をピークに右肩下がりとなり、13年度には犬は2匹、猫は初めてゼロとなっていた。


 背景について環境生活課は安易な飼育放棄を認めない対策が功を奏したとみる。13年9月の改正動物愛護管理法施行でペットを最期まで飼い続ける「終生飼養」が義務化され、やむを得ない場合を除き保健所は引き取りを拒否できるようになった。


 動物愛護団体の取り組みも殺処分ゼロを後押ししている。全道の保健所から犬猫を引き取っているNPO法人「しっぽの会」(長沼)は、記録が残るこの5年間で由仁支所が譲渡した犬猫の約3割を引き取り、同会のホームページで新たな飼い主を探すなどして殺処分を防いでいる。


 同会の稲垣真紀代表(56)は「全道的に施設に入るなどの理由で高齢者から長年飼ってきた高齢の犬猫を引き取るケースが増えている」としながらも「引き取り数が減少傾向にあることで、支所内で長期間預かることができる犬猫が増え、譲渡先が見つかることも少なくない」と話す。


 環境生活課によると、14年度に管内3保健所が引き取った犬猫は前年度より92匹少ない244匹で、うち由仁支所分は全体の約2割。同課は「由仁支所の4町での引き取り数は、マチの規模の割には管内他市町より多く、札幌など都市部から4町に遺棄するケースもあるとみられる。飼い主は最期まで責任と覚悟を持って飼ってほしい」としている。